放射線帯 ( Radiation Belt) 


 地球を取り巻く様に存在する高エネルギー荷電粒子の帯状の構造で, 発見者の名を冠してバンアレン帯 (Van Allen Belt ) とも呼ばれます。放射線帯は地球に近い内帯の部分と, その外側に存在する外帯の二つの部分に分けられます。内帯は, 地表 1000 kmから1万kmの高度に主として数MeVから数 100 MeVの高いエネルギーをもった陽子が地球磁場によって捕捉された領域です。また, 外帯は, 地球の中心からその半径の 2 倍から 7 倍の高度に位置し, 40 keVから数 10 MeVの電子と陽子によって構成されています。磁気嵐の時等に磁気圏尾部で生成される加速粒子が放射線帯の夜側外縁に注入されますが, その後, 磁気圏の内側に輸送される際, 断熱的な加速を受けて, 高エネルギー粒子が生成されると考えられています。また, 宇宙線が地球大気に飛び込むと, アルビート中性子が発生し, さらに, それが崩壊して高エネルギーの電子と陽子が生成されますが, 中でも, 陽子が内帯の形成に部分的に寄与していると考えられています。近年, 高度 5000 km付近に宇宙線が直接捕捉されてできたと考えられる He, N, O, Ne 等のイオンで構成される第3の放射線帯が発見されました。

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