磁気嵐 (Magnetic Storm)
地磁気の水平成分に最も顕著に現れる急激で不規則な変化を指します。太陽フレヤーあるいはコロナ質量放出と呼ばれる現象や,
太陽面上のコロナホールからやってくる太陽風プラズマの流れに伴う圧力上昇が地球磁気圏を圧縮する事によってもたらされる地磁気の擾乱です。磁気嵐の発達過程は,
急始部, 初相, 主相, 終相 に分けられますが、(1)急始部では, 磁気圏の圧縮に伴って,
磁気圏境界面に流れる電流(Chapman-Ferraro電流)が強まり、地磁気の北向き成分が突然増大します。(2)初相も磁気圏境界面電流による擾乱が卓越します。(3)主相では,
地球を取り巻く様に分布する環電流が発達する事によってもたらされる擾乱が大きくなります。(4)終相では環電流が減衰してゆくために,
1〜2日で地磁気は通常の値に戻ります。また, (2)の初相以降では, 磁気圏尾部の電流層でおこる粒子加速(磁気圏サブストーム)に伴なって極域に電離層電流が流れ,
極域嵐を引き起こしますが, それによる, 磁場擾乱が磁気圏境界面電流や環電流による効果と重畳して観測されると考えられています。
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